Q.エンハーツの乳癌における「効能又は効果」・「用法及び用量」について教えてください。

A.

エンハーツの乳癌における「効能又は効果」・「用法及び用量」は次の通りです。

【効能又は効果】
化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)

【用法及び用量】
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

<5. 効能又は効果に関連する注意>
5.1 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
5.2 トラスツズマブ(遺伝子組換え)、タキサン系抗悪性腫瘍剤及びトラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)による治療歴のない患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.3 本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。

<7.用法及び用量に関連する注意>
7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準* を考慮して、休薬・減量・中止すること。

減量・中止する場合の投与量
減量レベル 投与量
通常投与量 5.4mg/kg
一次減量 4.4mg/kg
二次減量 3.2mg/kg
中止 3.2mg/kg で忍容性が得られない場合、投与を中止する。

副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用 程度注) 処置
間質性肺疾患 投与を中止する。
左室駆出率(LVEF)低下 40%≦ LVEF ≦45% ベースラインからの絶対値の低下<10% 休薬を考慮する。3 週間以内に再測定を行い、LVEF を確認する。
ベースラインからの絶対値の低下≧10%かつ≦20% 休薬し、3 週間以内に再測定を行い、LVEF のベースラインからの絶対値の低下<10%に回復しない場合は、投与を中止する。
LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20% 休薬し、3 週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%が認められた場合は、投与を中止する。
症候性うっ血性心不全 投与を中止する。
QT 間隔延長 Grade 3 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4 の場合 投与を中止する。
Infusion reaction Grade 1 の場合 投与速度を50%減速する。
他の症状が出現しない場合は、次回以降は元の速度で投与する。
Grade 2 の場合 Grade 1 以下に回復するまで投与を中断する。再開する場合は投与速度を50%減速する。次回以降も減速した速度で投与する。
Grade 3又は 4 の場合 投与を中止する。
好中球数減少 Grade 3 の場合 Grade 2 以下に回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量又は同一用量で投与再開する。
Grade 4 の場合 Grade 2 以下に回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量して投与再開する。
発熱性好中球減少症 回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量して投与再開する。
貧血 Grade 3 の場合 Grade 2 以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
Grade 4 の場合 Grade 2 以下に回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量して投与再開する。
血小板数減少 Grade 3 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬する。
7 日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7 日を過ぎてから回復した場合は、1 用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬し、回復後、1 用量レベル減量して投与再開する。
総ビリルビン増加 Grade 2 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬する。
7 日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7 日を過ぎてから回復した場合は、1 用量レベル減量して投与再開する。
Grade 3 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬する。
7 日以内に回復した場合は、1 用量レベル減量して投与再開する。
7 日を過ぎてから回復した場合は、投与を中止する。
Grade 4 の場合 投与を中止する。
下痢又は大腸炎 Grade 3 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬する。
3 日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
3 日を過ぎてから回復した場合は、1 用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4 の場合 投与を中止する。
上記以外の副作用 Grade 3 の場合 Grade 1 以下に回復するまで休薬する。
7 日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7 日を過ぎてから回復した場合は、1 用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4 の場合 投与を中止する。
  • 注)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

引用文献:
エンハーツ 添付文書