Q.ミネブロの開発の経緯について教えてください。

A.

高血圧症は心血管病の主要なリスク因子であり、慢性腎臓病又は末期腎障害の発症リスクを上昇させるといわれています。本邦での高血圧症の有病者数は約4300万人(2010年時点)と試算されており、人口の高齢化に伴いさらに増加することが予想されています。
高血圧症の治療は多くの場合、生活習慣の改善だけでは不十分で薬物治療が必要となります。高血圧治療ガイドライン(JSH)2014では、カルシウム(Ca)拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱreceptor blocker:ARB)、アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)阻害薬、サイアザイド系利尿薬、β遮断薬が主要降圧薬とされていますが、降圧薬1剤で降圧目標を達成することは多くの場合困難であるため、異なる作用機序を持つ降圧薬の併用が推奨されています。しかし、降圧薬の投与を受けても血圧が目標値に到達しないコントロール不良の高血圧症患者さんは一定数存在し、現状の高血圧治療にはアンメットメディカルニーズが存在しています。

降圧薬の一つであるMR拮抗薬は、体液量の恒常性の維持に寄与するアルドステロンの作用に拮抗することによって降圧作用を示します。JSH2014では、MR拮抗薬は降圧薬治療の第一選択薬として推奨されていないものの、低レニン性高血圧に特に効果が期待でき、治療抵抗性高血圧に対して有用であるとされています。また、心筋梗塞後や心不全を合併している高血圧症や、二次性高血圧である原発性アルドステロン症に対しての使用が推奨されています。さらに、近年MRが関与する高血圧の病態が解明されつつあり、MRの活性化により高血圧を発症している患者さんに対しては、早期からMR拮抗薬を投与することにより治療効果が期待できると考えられています。しかし、既存のMR拮抗薬についてはアンメットメディカルニーズが存在するため、既存のMR拮抗薬の利益を享受できない患者さんに対しても新たな治療の選択肢となるMRブロッカーの開発が望まれていました。

ミネブロ錠の臨床開発では、本態性高血圧症患者さんを対象とした比較試験で、エプレレノンに対し降圧効果の非劣性が示されました。長期投与試験では、52週までの全期間を通して単剤及びレニン−アンジオテンシン(renin-angiotensin:RA)系阻害薬又はCa拮抗薬の併用下で降圧効果が認められ、忍容性は良好でした。また、中等度腎機能障害合併高血圧症及びアルブミン尿を有する2型糖尿病合併高血圧症患者さんでもRA系阻害薬との併用下で降圧効果が確認され、血清カリウム値の変動を含む忍容性は良好でした。さらに、Ⅲ度高血圧症患者さん、原発性アルドステロン症患者さんでも降圧効果が確認されました。
以上の経緯を踏まえ、ミネブロ錠1.25mg、2.5mg及び5mgの製造販売承認申請を行い、2019年1月に高血圧症を効能・効果として承認を取得しました。

引用文献:
ミネブロ インタビューフォーム

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